本記事は「物事に没頭する条件を知りたい」という方に向けての内容になります。どうしたら物事に没頭できるのか?そんな悩みに対して、「フロー」という考えを使って説明していきます。
本記事によって、「フロー」という考えを理解し、実践することで、日々の仕事や作業にメリハリが生まれるとともに、さらに充実するようになるでしょう。
フローとは何か?
まずフローとは何でしょうか?フロー理論の創始者、ミハイ・チクセントミハイ博士によれば、フローとは、「時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態」のことです。つまり物事に完全に没入している心理状態ということです。
チクセントミハイ博士は、なぜ「完全に集中する」ことを推奨したのでしょうか?
チクセントミハイ博士は、第二次世界大戦後の祖国ハンガリーで、「生きる希望」をなくしてしまった大人達の姿を見ていて、「生きることは何か」「幸せとは何か」を自問自答していました。
そして「人生を生きるに値するものにするものは何か」という問題を問いかけ続け、その研究の中で、フロー理論が生まれました。
つまりフロー状態こそが生きる喜びを感じられる状態だ、とチクセントミハイ博士は言っているのです。
ではそのフローのメリットはどんなものがあるでしょうか?
フローのメリット
フローのメリットは、「永続的な満足感を得られる」ということが挙げられます。永続的な満足感とは、ずっと続くような満ち足りた感覚ということです。
このようなずっと満ちている感覚を感じているときは、前述の例のように、多くの人は生きていて良かったと思うでしょう。
では、そのような永続的な満足感が得られるフロー状態はどのような条件で成立するのでしょうか?
フローになる具体的な方法
フロー状態になる条件は、チクセントミハイ博士によれば、7つ、もしくは8つ挙げられています。
①目標の明確さ(何をすべきか、どうやってすべきか理解している)
②どれくらいうまくいっているかを知ること(ただちにフィードバックが得られる)
③挑戦と能力の釣り合いを保つこと(活動が易しすぎず、難しすぎない)
④行為と意識の融合(自分はもっと大きな何かの一部であると感じる)
⑤注意の散漫を避ける(活動に深く集中し探求する機会を持つ)
⑥自己、時間、周囲の状況を忘れること(日頃の現実から離れたような、忘我を感じている)
⑦自己目的的な経験としての創造性(活動に本質的な価値がある、だから活動が苦にならない)
このように見ると、なかなか自己コントロールできることは多くないことに気づきます。しかしすべての条件を満たす必要はないので、改善できることから改善していきましょう。
個人的に大事だと思うのは、③です。なぜなら挑戦と能力のバランスが合っていないと目標を達成するのが難しく、その結果モチベーションも落ちて、継続が困難になるからです。そのため、達成可能なスモール・ゴールを作ることが肝要だと考えられます。
達成可能なスモール・ゴールとは、自分で掲げた目標に対して、ちょっと頑張れば達成できそうな目標です。
たとえば、今までまともに英語を勉強してこなかった人が、いきなり英語1級を取得するとか、不自由なくネイティブと意思疎通するというのは現実的でありません。
もちろん夢や理想はあってもよいのですが、それでも現実的な行動を忘れてはなりません。
そのためには、中学・高校レベルの単語を覚えたり、文法を学び直す必要があるでしょう。その作業を日々こなすスモール・ゴールが行動を可能にするのです。
またそれと同時に、自らの成長を記録しておくことも重要です。なぜなら成長を記録すると日々の活動のモチベーションを高めたり、継続することを助けてくれるからです。
再度、学習の話を例に挙げると、ラーニングログを作るとよいです。ラーニングログとは、学習した日に印を付けるというものです。単純ですが、それには上記に挙げた効果が見られます。
個人的な話になりますが、ラーニングログをつけ始めてから、学習や生活に関する習慣が習慣化されたと僕は感じます。
まとめ
いかがだったでしょうか?フロー状態はなかなか簡単には作り出せませんが、その状態に入ったときは素晴らしい感覚を味わえます。この記事を参考にしていただいて、自分なりに物事へ没頭できる方法を模索していただきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。