老子とリベラルアーツ、意外な共通点とは?

本記事は「老子やリベラルアーツについて知りたい!」「老子とリベラルアーツの関係とは?」といった疑問をお持ちの方に向けた内容となっています。

本記事をお読みいただくと、老子とリベラルアーツの意外な共通点・関係性に気づくことができます。

本記事の内容は、

  • 老子とリベラルアーツの関係
  • スティーブ・ジョブズも言ったこととは?
  • 科学的な見地からの成長可能性とは?

となります。

では、説明します。

まず老子とリベラルアーツの関係とは、どのようなものでしょうか?

老子とリベラルアーツの関係とは?

東洋の思想家・老子の「智者」の考えと、西洋の伝統的なリベラルアーツの共通点は、結論から言えば、「あらゆる束縛から解放され、自由に発想する」という点です。

というのは、老子は道に従って生きる真の智者は、柔軟性があると言っていますし、リベラルアーツは偏見や差別から解放されて自由に生きるための技法であり、そのためにはしなやかな知性が必要だと言われています。

たとえば、まず老子は「智者」を「学者」を区別し、前者を「道という自然の法則に聡(さと)い者」とし、後者は道に従った生き方をしていなければ智者ではないものとしました。

つまり知識の多さは智者には関係がなく、道に従っているかが重要だということです。さらに「智者」は知識が多くなっても、柔軟性がなくならず、むしろ空っぽになると言います。

老子にとって空っぽの状態とは、ネガティブではなく、むしろポジティブな状態です。なぜなら空っぽの状態だと、コップに水を足せるように、まだまだ物事を増やしていけるからです。

しかし空っぽに対して満ち足りていると、コップの例と同様に、これ以上注ぐことはできませんし、何も物事を生み出せません。

このことはApple社のスティーブ・ジョブズも同じようなことを述べていました。どんなことを述べていたのでしょう?

スティーブ・ジョブズも言ったこととは?

スティーブ・ジョブズは”Stay hungry,stay foolish!”と述べました。日本語に訳すと「空腹であれ、馬鹿であれ」という感じでしょうか。

つまり老子と関連させると、空腹の状態や馬鹿でいることは、ネガティブな状態ではなく、それぞれ食欲を満たしたり、知識を増やしたりと、そういうことが可能な状態なわけです。つまりまだ成長・改善の余地があるということです。余白を残すとも言えるかもしれません。

ではこれは科学的見地からはどのように捉えられているでしょうか?

科学的な見地からの成長可能性とは?

これは『マインドセット「やればできる!」の研究』(キャロル・S・ドゥエック)にも共通します。ドゥエックは、スタンフォード大学の心理学者です。彼女は成長・改善のマインドセットという「しなやかマインド」を提唱します。

「しなやかマインドセット」とは、柔軟性があり、学びや成長を求める考え方です。それに対して、「こちこちマインドセット」や「固定マインドセット」は、「能力は生まれつき決まっている。だから努力しても無駄だ」と考える考え方です。有益なのは、「しなやかマインドセット」の方です。これは、スポーツ、芸術、勉強・学問、人間関係などありとあらゆる場面に適用できる考え方です。

どのようにして「しなやかマインドセット」にするのかは、端的に言って「自分は成長できる」という信念です。その信念によって、状況や結果が良くも悪くもなります。したがって、みなさんも「自分は成長できる!」という「しなやかマインドセット」を習得・駆使して、みなさんの課題に粘り強く取り組んでください。成長を祈ります。

まとめ

いかがだったでしょうか?本記事では、「老子とリベラルアーツ」の観点から考察を進めました。まとめると以下になります。

  • 老子とリベラルアーツは、「しなやかさ」で共通している
  • スティーブ・ジョブズは、「空腹であれ、馬鹿であれ」と言った
  • キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる!」の研究』によれば、「しなやかマインドセット」は、学び・成長を求める

最後までご覧いただきありがとうございました。

参考文献

老子『老子』

キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる!」の研究』